NanatsunoTaizai

□Fifth 〜ギルサンダー襲来〜
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「ようやく会えたな〈七つの大罪〉…」


「ギルサンダー、どうしてあなたが…!!?」



近づいてきた聖騎士に、王女様が驚いた。



『王女様、知り合いなの?』


「彼は…聖騎士… ギルサンダー…!! 父の側近の聖騎士…です」



側近の聖騎士、ね。


これはまた強そうな奴がきたもんだ。


そういえば、ギルサンダーってどっかで聞いた覚えが…



「バーニャの村で水をせき止めたのも、村を吹っ飛ばそうとしたのも、お前だろ?」



聖騎士に問う団長に反論する王女様。


雷でそろそろつらそうだ。



「彼はそんなことができる人じゃ――…」



ゾクリと背中に悪寒が走った。


おー、殺気立ってるね。

思わずにやけてしまう。


コイツと戦ったら、結構楽しそうじゃん。

血が、疼いた。

力で縛を解いて、殺り合う?


グッと力を入れた。



「彼らに手出ししてはなりません!!」



自由になった王女様が聖騎士の前に立ちはだかった。



ホークが弱々しい声をあげている。

どうやら限界みたいだね。



慌てて駆け寄った王女様の横から、聖騎士が思い切りホークを蹴り上げた。


すごいスピードで飛んでいくホーク。


大丈夫かな、あれ。


みんながホークを見つめていると、団長の喉元に剣が突き立てられた。



「聖騎士がなぜきさまらの首を狙うか、知っているか?」


「さーな、身に覚えのねーことは知りようねぇ」



こんな状況でも、相変わらず団長は余裕。


さすが、だね。



飄々としている団長に、淡々と話すギルサンダー。


あ、そうだ。

ギルサンダーって…



『聖騎士長の息子じゃん!』


「聖騎士長の息子…って、ギル坊……!」


『久しぶりじゃん、ギルくん! 成長したねー』


「随分でかくなったもんだなー!」



懐かしさがこみ上げてくる。

あのギルくんがねー。

もう立派な聖騎士に…
 
 
 
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