NanatsunoTaizai

□Third 〜やるべきこと〜
1ページ/6ページ





そして、その日の夜……

〈豚の帽子〉亭で祝杯が開かれた。



「さぁ、仕事だ! 2人共!」



団長は威勢良くそう言うと、パンパンと手をたたいて催促した。



『私は、マスコット的な立ち位置でみんなを和ますから…』


「却下!」


「わ…私に上手くできるでしょうか… こういうことをするのは初めてなので、ドキドキ…してます…」


「そーかそーか、初めてか。 もっかい言ってみ、もっかい!」

『団ー長? 鼻息荒いよー』



緊張気味の王女様に興奮している団長。


団長ってば、何に興奮してるんだか…



「ウエイトレスも慣れちまえばなんとかなるさ」


「わかりました!」


『大事なのは、〈七つの大罪〉の情報でしょ?』


「そうだ! 聖騎士の居場所についての話でもいい。 直接関係なさそうな話でも、何かの手がかりになるかもしんねぇ」



ガヤガヤと騒がしい店内。


耳を澄まさなくても話が聞こえてくるから、情報集めは案外楽そうだ。



「…何はともあれだ。 気楽にやってくれ」


『了ー解』


「は…はい!!! 気楽にいきます!!!」


『王女様… 気楽の意味、分かってる?』



緊張でガッチガチの王女様。



こりゃ、フォローしないと大変な事になりそうだね。



「お嬢ちゃん!! 注文ーーー!!」


「こっちも頼むよ!!」


「は…はひっ ただいまっ!!」


『はいはーい、今行きまーす』



早速、注文がはいった。


王女様を横目で見ながら注文されていく品々をメモに書き留める。



大丈夫かなぁ…あれ。



『団長、これよろしく』


「ほーい、了解」



書き留めたメモを団長に渡し、王女様のフォローに向かう。



「あとはグロスターワインを……って聞いてる?」


「え? は…はい【渡り豚チーズ焼き】【パイっぽいオッパイ】八つずつですね?」


「全然ちがう」


『ククッ…す、すみませんお客様…【渡り鳥チーズ焼き】五つと【アップルっぽいパイ】四つ、それとグロスターワインですね?』


「うん、そう」



王女様の間違いに思わず吹き出した。


豚のチーズ焼きって…(笑)

傑作だわ。



店の隅ではホークがショックをうけていた。
 
 
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ