NanatsunoTaizai
□Prologue
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暗い、暗い、闇の中。
太陽の光も、温もりも届かないこの場所で、私は幽閉されている。
13年。
聖騎士たちに嵌められたあの日から、13年。
みんなは、彼は…
どうしているだろうか。
『団長たち、迎えに来てくれないかなぁ〜』
ただただ、闇しかない空間に向かって呟く。
『はぁ〜…ディアンヌとガールズトークしたい…』
最近は、余計にそう思うようになった。
誰とも話すことのない生活が13年も続いたせいだろうか。
『キングをいじくり回して遊びたいなぁ…』
キングをイジメ…いや、イジると面白いから、ひさびさに戯れたい。
『…バンに、会いたい…』
そして、一番会いたいのは…バン。
大好きな、バンに会いたい。
『…そろそろ、動きだそうかな』
団長が動いてるって噂聞くし。
聖騎士たちも、何か企んでるっぽいし。
―バキン!―
手足にはめられていた枷の鎖を引きちぎった。
『待っててね、みんな。すぐに…会いに行くから』
こうして満月の綺麗だった夜、私は牢獄を抜け出した。