MAIN2(短編)

□とある戦闘
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女顔が悩みの男子魔族高校生Yは夜中に突然リッチな気分に浸りたくなり、コンビニにハーンダッツを買いに出掛けた。あと数歩で入店という時に運悪く爆発に巻き込まれてしまった。
間一髪で魔界から追われていて定期的に水虫の医者にかかっているというBに助けられるが、敵にBの仲間と勘違いされ共に逃げる羽目になってしまった。その夜はBのとてつもなく速い足で敵をあっという間に引き離して逃げ、近場の空き家に逃げ込んで眠った。
それから一ヶ月、用心しつつこそこそと生活していた二人だったが、ちょうど夕飯の買い物に出掛けたときに、魔界から派遣され、公園で遊んでいる子供達を眺めていた敵に見つかってしまった。敵のマッチョ一号通称上腕二頭筋は、Bの目潰しと鼻フックであっさり倒せてしまった。上腕二頭筋は倒すと豚に変わったので、生活資金が尽きかけ、貧乏暮らしをしていた二人の当面の食糧となった。
豚を食べきりそうになり、朝食にする為に、皆の剥いて捨てていったキャベツの外側の葉とタダでもらえるパンの耳を獲りに出掛けると、スーパーでハーンダッツを買っていた敵のマッチョ二号通称腹筋に見つかり、買い物を双方が終えたところで戦い始めた。腹筋はハーンダッツを食べたいあまりにキレたYの見事なみぞおちパンチで泡を吹きながら崩れ落ちた。腹筋は倒すと牛になったので、生活資金が完全に尽きた二人の当面の食糧となった。ハーンダッツは勿論Yの腹に収まった。
牛を食べきり、河川敷に生えていたヨモギやよく判らないキノコを食べていた頃、黒毛和牛を専門店で買っていた敵のマッチョ三号通称四十肩を見つけ、二人は怒りに任せて四十肩を店から引きずり出し、リンチさながらにボコボコにして倒した。四十肩は倒すと一年分のパスタになったが、いい加減こそこそと生活するのも応戦するのも嫌になった二人は、パスタを一日で片付けた後に魔界へ乗り込んだ。
ヒノキの棒で向かってきたマッチョ四号・五号・六号・十九号・百号を、それぞれアッパー・腕ひしぎ・巴投げ・カツアゲ・大人の交渉術で倒し、大人の交渉術で倒した百号に魔王のいる城まで案内させた。
魔王に事の次第を問い詰めると、かまってくれないと拗ねたBの上司Gが、ちょっとBを困らせようとした事が上手くいきすぎてしまい、今回のようなことになったと分かった。Gは魔王とBとY、便乗した百号から一発づつ拳骨を貰った。
Yは元の生活に戻れることになり、BとG(タンコブ四つ付)は魔王城から出発するYの見送りについてきた。
「帰ったらとりあえず何がしたい?」というBの問いに「ゆっくり寝たい」と返すY。
その時Bの横で爆発が起きた。今度のはただ単に古くなった水道管が破裂しただけだった。Gは上空に百メートル程垂直に打ち上げられた。

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