死神さんのお仕事

□娼婦の夢
1ページ/6ページ

穢らわしく、意地汚い、嘘つきばかりの世界。


その中に借金の肩代わりとして女は売られた。







ネオンが煌めく繁華街。

美しく着飾った淫らな女が男を店へ誘う。
「こんナ事したクないのに…」

男は同意して、女の腰を引き寄せながら店の方へ歩を進めた。
「気持ち悪イ…触らないで、嫌、ソっちニは行きたくないノ」

壁の薄い個室、隣からは喘ぎ声が生々しく漏れ聞こえる。
「嫌…聞きタくない、嫌らしい」

男がシャワーを浴びている間、少しだけ迷った。



そして静かに女はその場から逃げ出した。

見つからないどこか、遠くへ。



遠くへ。








しかし女の願いは叶わず、繁華街を抜けぬ事も出来ず店の者に捕まった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ