死神さんのお仕事

□青眼の少年・裏
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「いいモノ頂けたなぁ…」


薄暗い路地裏、摘まんだ≪青色の原石≫を月明かりに透かした。
淡いコバルトブルーが輝く。


「何仕事サボってんのよ、おバカさんは」


背後から若い女性の声がかかった。
死神さんはゆっくりと振り向き、それが誰だかわかると少しだけ嫌そうな顔をした。


「なーんだ、【オバサン】かよ…」
「オバサンって言うんじゃありませんっ」
「オバサンじゃん、若作りした」
「死後に飛ばすわよ」
「はいはい、ごめんなさーい」


【オバサン】と呼ばれた女性はとてもじゃないが、そう呼ばれるような年齢には見えない。
むしろ、死神さんより少し若いように見える。
だが、実年齢は死神さんより遥かに多くの時間を生きているのだ。


「…あの子、どうして死後に連れて行かなかったの?あれだけの思いがあれば余裕で導けるはずでしょう」
「………」
「それとも、昔の自分に重ねちゃったのかしら?」
「…それはないかな」


いやな処を突かれて苦々しい顔を浮かべる死神さん。
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