最終兵器俺達

□どっちが大事なの!
2ページ/4ページ

俺は、一人寝室へ行き、いじけるように布団に入った。

「はぁ…」

そうため息をついて、俺は寝た。

「ん…」

突然目が覚めた。近くにあるスマホで時間を確認する。

「3時…」

まだそんな寝ていない。隣にキヨも寝ていない。

(そんなに、俺よりサッカーが大事?)

そう考えると、なんだか涙が出てきた。

「キヨの、馬鹿…っ」

泣きながら布団をかぶってまた寝ようとする。

「誰が馬鹿だって?」

布団越しにキヨの声が聞こえる。俺はびっくりして布団を剥いだ。

「キ、キヨ…どうして」

俺より、サッカーが大事なんでしょ。って言いたかったけど、怖くて言えなかった。

「だってよー、こーすけいなくなっちまうんだもん。わりぃ、ほったらかしにしちまって」

申し訳なさそうに謝るキヨを見て、俺は許してしまった。

「いいよ…サッカー見てて」

「いや、もう良いよ。こーすけに悪いしさ…っていうか、なんで泣いてんの、俺のせいだよな?」

薄く暗闇の中でそう言われる。

「泣いてないよ」

どうしてわかるんだろう。キヨはコンタクトをつけるほど目が悪いのに。

「わかるんだよ。こーすけのことならな」

…。キヨはずるい。なんでそんなかっこいいんだよ。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ