■Ironhide■

□【出会い】
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*





「レノックス大佐!!」


あれから数年後、本当に入隊しNESTに配属される事になった香織

あの時に会ったレノックスを覚えており

レノックス大佐に挨拶するため部屋に来たが思わず声をあげてしまった


「すみません…」

あの時はJKのノリで気軽に喋れたが今は上司と部下

「本当に来るとはな。大した車愛だ!」


笑って香織の頭をくしゃくしゃと撫でる

「どうしてもあの車もう一度見たかったんです。

でも、NESTに入るときオートボットだと聞いて……驚きました。」


自分がパシャパシャ撮っていたのがまさか生きている車、オートボットだと思っていなかった

「失礼な事してましたね。すみません。」


いつも携帯に保存したトップキックの画像を何度も見返していた

「気にするな。あの時は笑えたよ。

で、NESTのどこに配属になるか聞いてるか?」

「いえ、レノックス大佐から聞いてくれと言われました。」


望んでいた所に配属は嬉しいがまだ細かい配属場所は聞いていなかった



「聞いて喜べ。香織はオートボットのメンテナンス係だ!」


「えっ…」


メンテナンスは最もオートボットと近づける業務のひとつだ


まさかここまで近づけると思っていなかったので驚いたように「ほんとですか!?」と喜ぶ


「機械系のテストの点数がトップだったからな。

コミュニケーション能力の評価も高かったし、物怖じしない精神力からもお前が良いと抜擢されたんだ。」


その言葉にえへへと照れるように笑う香織

「ただ少し集中力にかけるようだ。教官が言ってたぞ。聞いてるふりが上手いとな。」

あちゃ、と言わんばかりに舌をペロッと出す

「まぁメンテナンスは集中してくれよ。よし、これから皆に自己紹介だ。」




「イェッサー!」


レノックスの後を着いてやがて大きな格納庫へとたどり着いた


レノックス達は2階建てのような鉄の金網へと登る


そして上から見えたのは誰もが知ってる高級車や速そうで滑らかな車体、トレーラートラックなどあらゆる車だった

「オートボット、集まってくれ。今日から新しくメンテナンス配属になった香織だ。」

レノックスの言葉に車はガシャガシャと機械音を響かせながらみるみるロボットへと体を変形させる



「!!」


夢のような光景にまさにキラキラという言葉がピッタリのように香織の目はオートボット達に釘付けだった

プシュウ、と最後のパーツが正しい位置に着くと一番大きなオートボットは近くへと歩いてきた

「君がレノックスの言ってた香織だな。

私の名はオプティマス・プライム。オートボットの総司令官を勤めている。」


これが噂の総司令官


正義感に溢れ芯を貫くオートボットと聞いていたが

この自己紹介だけで彼の性格やそう言われてる理由がわかるような気がした

そのあとも次々に名前を名乗ったが自前にレノックスから聞いていたので誰が誰だかすぐにわかった

「なんだ、数年前とあんま変わってねぇな。良い女になってると思ったんだが。」


「ディーノ、失礼だぞ。」


そう注意するレノックスはプ、と笑っている


「待って、私あなたに会った覚えないんだけど…」


フェラーリは見たことあるがそれがオートボットだとは言えない


だとしてもなぜ私の姿を知ってるんだ

「アイアンハイドから見せてもらったぜ。

あの時の女が来るって俺達の間で話題になってたんだぞ。」


サイドスワイプは面白そうに香織を見る


人間と能力がかけ離れてるとはいえ映像共有も出来るのか…


さすが金属生命体



「ん?肝心のアイアンハイドは?」


一番お目当てだったトップキックもそれらしきオートボットの姿も見当たらない


「今アイアンハイドはこちらに向かっている。」


ラチェットは格納庫の出口に目を向けた


すると黒い大きな車がこちらへ向かってきた


「あの車だ!!」


ずっと待っていたこの時に香織は思わず声をあげる

トップキックはブォン、と唸ると他のオートボット達と同じくトランスフォームしながら本来の姿を現した


「よう。本当に入隊するとはイカれた奴だ。

ディーノのいう通り髪が少し伸びたくらいで何も変わってないな。」


メモリーに保存してあるあの時の少女と今目の前に居る香織の顔はさほど変わらなかった

「会いたかったアイアンハイド!すごい!ゴツい!」



イカついものが何よりも好きな香織にとってアイアンハイドの装着してる武器や一際重装備の体に目がハート状態









のちにアイアンハイドの彼女になるのはまだもう少し先のお話だった+。・









END
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