■Ironhide■

□【大きなカイロ】
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「あったか〜い」
ぬくぬくとアイアンハイドの腕の中で目を瞑る
人間のどんな男よりも安心感があり力強い

「みて、親子みたい。可愛い。」少し遠くの方からそんな声が聞こえるなりプッと笑う香織

「お前が童顔すぎるんだ。」

「アイアンハイドがオヤジすぎるの。」
確かにアイアンハイドの見た目年齢は30代半ばといったところで
香織とは親子くらいの差があるように見えなくもない
というか欧米の人には日本人の顔は幼く見えるようで仕方ないと言ったら仕方ない

「最初に私と会った時何歳だと思った?」
「人間の年齢などよくわからんが会った時も今も香織はガキだな。」
ふんと鼻で笑うアイアンハイド

「なによ、これでも告白されてるんだからね。」
髪型やメイクなどで大人っぽくなるので
休日一人で歩いてると声はかけられるしNESTの軍の独身男性の中で香織を狙ってる男は少なくない

「そういうのロリコンて表現するとラチェットが言ってたぞ。
そういや、ラチェットがお前の体のデータを欲しがってたな。」
「ラチェット、私の居ない間に失礼かつ変態発言を……!」
鬼畜軍医をキリ、と恨む

調べてもらえよ、なんて声にツンとする香織



「私が逆にアイアンハイドを調べてあげようか?」

ニヤニヤしながら向きを変えてアイアンハイドの首に手をかける

「何を調べるんだ。」

「かがんで」 

「おい、」

そう言ってアイアンハイドを半ば強引にかがませると耳元にチュ、と口付けをした



「どうすればアイアンハイドが私を恋愛対象としてみてくれるか…って事を調べたり?」

囁くようにそのまま耳元で喋る香織

「っ!」



アイアンハイドは思わずかがませていた体を元の位置に戻した

イタズラにこちらを上目遣いで見る香織は今までに見たことがない表情だった



「なんてね♪」

香織はハハ、と笑いまた後ろを向き太い腕の中に入る

「お前…」





スパークがドクドクと熱くなるような感覚



もしかして、コイツにドキドキしてんのか俺は?

いや、これはコイツのために体温を上げたせいで熱を持ってるだけだ

変な感覚が回路を駆け巡るのはきっとラチェットが変にコードを繋いだせいだ



アイアンハイドはまた暖かそうに自分の腕の中で暖をとっている香織の斜め上の横顔を見る

頬は寒さで赤くなりマフラーで口元を隠していた

気分が良いのか鼻歌まで歌っている



『コイツいつからこんな可愛くなったんだ…?』





先ほどの耳元にキスした際のわずかなリップ音、囁かれた言葉が

ブレインサーキットの中で何度も再生された

そしていきなり大人の顔をしたようなあのイタズラに笑う表情…





「バス来たね」

向こうから2つのライトを近づけさせながらバスは目の前に停まり2人を乗せる





アイアンハイドの思考回路をショートのような感覚にさせた香織は

何食わぬ顔でいつものようにお喋りを続けていた+。・







END
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