■Ironhide■

□【桜のCANDLE】
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「レノックス。俺の家に入る時は気をつけろよ。」

任務終わりアイアンハイドはそう言った

「何でだ?」

「あー…女を拾った」
言いにくそうに目線をそらす
「女!!?」
レノックスの大きな声に他のオートボット達も振り向く
「お前女できたのか!?」
ジャズが面白そうに近寄ってくる
「うるせぇ!!レノックス、とりあえずこいつ等が居ない所に行くぞ!」
アイアンハイドはビークルモードになるとレノックスを乗せ走り出す

「恋の相談なら俺にまかせろよ!ペルファボーレ!」
去っていくアイアンハイドに叫ぶディーノ




「で、拾ったって何だよ?メスのネコを拾ったのか?」
運転するふりをしてハンドルに手をかける
行き先はとりあえずアイアンハイドにまかせるレノックス

「人間の女だ。ちょっと変な奴でな。しばらくは俺の家に居る。」
「何でそういう経緯になったんだよ…」
「それは聞かないでくれ」


なんとなく香織のことはあまり周りには言いたくなかった

なにより自殺しようとした人間の事をペラペラ喋るのは気が引ける










「…そんな心配した俺が馬鹿だったな」

家に帰ると「おかえい〜〜!☆」とお酒のニオイをさせながらソファに寝っころがっている香織

「そこにあるお金つかっちゃったぁ〜!だってここビールとかウォッカしかないんらもん!
親父くさーい。リキュールかってまいりまひた〜☆」
キッチンのテーブルに置いてあったお金をつかいお酒を買ってきたのだ

「あぁ…後で俺がレノックスに怒られる」
アイアンハイドは排気をひとつもらし、装着してた武器を武器倉庫に置いた

「アイアンハイロ〜」
「何だ」

香織はタタタとアイアンハイドの元へかけよる
「車になって!」
ヘラヘラと笑いながらビークルモードになるよう催促した

「何でだ」
「そのほうが近く喋れるきがする!」

しょうがなくビークルモードになるアイアンハイド
トランスフォームしてる最中「わ〜!かっこいい〜!」とはしゃいでる

「ほら」
「ん〜っしょっと。あれ?」
ドアを開けたが酔って大きな車に乗り込めない
「お前大丈夫かよ…」
乗り込みやすいよう段を作り更に車体をかたむかせて最大限乗り込みやすいように配慮する

ここまで人間に気遣いすることなんてない
ましてや昨日会ったばかりの一般人になど普通ならするわけないが
アイアンハイドは嫌な気持ちなどなく放っておけなかった


「ん〜寝心地良い…」
シートを倒して目を瞑る

体をスキャンすると結構な酒の量を飲んだようだ
「ここで吐くなよ」
「だいじょうぶ…」

そしてすぐにスゥスゥと寝息をたてて寝てしまった香織

香織をセンサーで見てると手首に無数の傷や、首にもあることがわかった

「なんだこの傷…?」
手首の傷は特に深く最近の傷にみえる
アイアンハイドにはわからなかったが痛そうな傷になぜかスパークが熱くなった気がした



明日は任務が休みなので香織が起きるまでじっとする事にした



「ん…」

起きたかと思えば寝返り

だがアイアンハイドはその瞬間香織の顔を見て驚く

「なぜ泣いてるんだ…」

香織の頬には数滴流れる涙
涙はシートにポタリと落ち少し冷たい温度がアイアンハイドに伝わる

「ごめ…なさい…て…きて」

「…寝言か」
途切れ途切れに話すので聞き取れなかったが
「「ごめんなさい」」は聞き取れた


自殺したくなるほどの悲しみは一体なんなのか
その原因は自分では和らげる事は出来ないのか
彼女の過去を知りたい
いや、知らなくても良い


ちゃんと笑ってくれるなら

それは自分には出来ないのか




アイアンハイドは流れる涙を見て思う



彼女を苦しみから守りたい



車の中に静かに響く香織の寝息を聴覚センサーでずっと聞いていた
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