■Ironhide■

□【ないものねだり】
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アイアンハイドが好き
どうしようもなく、好きでしょうがない


「ほら、もっと飲んで!」
香織はすでに酔いがまわっているアイアンハイドにウォッカを勧める

今夜はNESTの者で飲み会をしていた
もちろんオートボットも

人間のような二日酔いはないものの、ロボットも酒を飲めば判断能力が鈍る
それを知った香織はなんとか意中のアイアンハイドをベロベロに酔わせようとしていた

お酒は弱い方ではないのでアイアンハイドもつがれるまま気分良く飲んでいた

「ねぇアイアンハイド」
「なんだ」
呼び掛けるなり体を傾けゆだねる

「眠くなっちゃった。部屋まで運んで。」

もちろん嘘
二人きりになるための口実だった

「しょうがねぇな。」
立ち上がる前にその大きな背中に抱きつく
両足を大きな手でかかえ少し前屈みに歩く

今までにないくらい密着しているので香織は嬉しかった
だけど欲がそこで収まるわけがない


「ほら」
ベッドに降ろされアイアンハイドがこちらに振り向いた瞬間腕をひっぱりベッドに押し倒す
「っおい」

香織が上で、アイアンハイドが下で

「抱いて」
シャツを脱ぎ出す香織を慌ててとめる
ボタンにかかる手を自分の手で抑えた

「かなり酔ってんな。大人しく寝てろ。」
意識はお酒にやや呑まれてるが理性はちゃんとある
のけようとすると香織は更に体重をかけ退くまいと抵抗する

「好き。アイアンハイドにならされてもいい。」
「、」
好き、という言葉に動揺する
酔っていてそこらへんの判断がつかなくなったのかとアイアンハイドはため息をついたのもつかぬ間

香織は唇を重ね舌をいれてくる

「っ、」
今までにない、柔らかく温かい感触
引き剥がそうとするがキスの気持ちよさに抵抗は浅くなる


もう、このまましてしまえ

アイアンハイドの思考回路がそう告げる

柔らかな胸の膨らみに手をかけ
理性を手放そうとした


「、出来ねぇ」

体重をかけていたにもかかわらず
軽々香織を退ける
その反動で横にひゃ、と転げアイアンハイドは起き上がる

「どうして…」
キスまでしてしまえばもうその先も出来ると思った香織はぽかんとする

「酔った勢いで女は抱けない。それにお前は大事な仲間だ。」

ズキン
そう聞こえてきそうな胸の軋みを感じた

「相手が俺で良かったな。他の奴等だったらお前はこのままヤられてた。」

違うよ
アイアンハイドだから


「今度から酒飲み過ぎんなよ。」

酔った勢いなんかじゃない
ふりをしてでもあなたを

「ゆっくり休め。」


あなたを手にいれたかった



好きになってくれない事はわかってた
だから汚い手を使った
それでも思い通りにならなかった




な い も の ネ ダ リ




(こんな惨めな夜に泣いた次の日

あなたにどんな顔して会えば良いの?)

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