■Ironhide■

□【出会い】
1ページ/2ページ

「やばい…何コレ」

香織は輝いたような目で自分よりとても大きなトップキックを見ていた


遠くから眺めたり近寄ってみたりグルリと一周してみたり


ニマニマとしながらシャメまで撮り出した


『何だコイツは』


自分をじっと見つめながら一周したと思えばカメラで自分を撮っている



オートボットとバレたか?



パシャパシャと音を立てる香織


目の前の人間を用心深くセンサーで追った

レノックスが買い忘れた物があるとか言ってスーパーに立ち寄ったのが始まり

時々こちらに目を向ける人間も居るがだいたい

「でけぇ〜」と言って去っていく


この目の前に居る人間、香織もその一人だと思っていたが違うようだ

よくみるとまだ高校生っぽい


アイアンハイドはスキャンをかけてみるが持っているのは普通の携帯


銃の所持もないので一般人だと認識した


「お嬢さん、俺の車がお気に入りのようで」


やっと買い物から戻った軍服姿のレノックスの手にはアナベル用のオムツや離乳食が袋から顔を出していた


「この車、軍事用なんですか?」


アーミー柄に身を包んだレノックスを見てすぐに軍の者だと認識する

「あぁ、そうだよ。シャメまで撮ってるようだが気になる事でも?」


笑顔で対応するも心の中ではオートボットとバレたのかとハラハラしていた


もしや、アイアンハイドが何かバレるような事でもしたのかとチラ、とトップキックを見るが


もちろん車のままで様子を伺う事など今は出来ない

「もし、私が軍に入ったら、この車運転出来る?」


「ん?あぁ、出来るとも。運転したいのか?」


この女の子はこんなでかい車を運転したいのか、と思うレノックス

「何かね、この車好きなの!ゴツい車元々好きなんだけど、

これは他と違う。ずっと眺めてたくなる。」


予想外の言葉にレノックスは驚き、笑いそうになった


「そうか。コイツもきっと喜んでるよ。

もし入隊して同じ軍に所属したらこのトップキックに乗せてあげるよ。」


レノックスの言葉に「本当!?」と言って目を輝かせた

「その時は俺を呼んでくれ。

俺はウィリアムズ・レノックス少佐だ。君は?」

「私は香織。約束忘れないでね!」


レノックスは敬礼をすると香織も真似て敬礼をした

ようやく去っていく香織の後ろ姿を見てプッとレノックスは吹き出した


「お前、初めて女に好きって言われたんじゃないか?」


運転席に乗り袋を助手席に置いた


「まだガキだろ。たく、変な人間だ。」

ウォン、とエンジンをかけパーキングを後にした






*
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ