■Ironhide■

□【覚えた快楽】
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香織はべたっとビーグルモードで停まってるアイアンハイドのフロントに張り付く

「あぁ…かっこいい」

「…」

初めてやられた時は思わず後ろに引いたが
今は彼女だし、香織の満足いくまで黙ってることにしている

香織がこうして触れるたびに今までの感情になかった
「触れたい」という思いが回路いっぱいに駆け巡る
そしてどの部分よりも柔らかい胸が当たるたびにアイアンハイドのスパークが熱くなった



「うーん、幸せ」
言葉の通り幸せそうにフロントを優しく撫でる
香織は「かっこいい」に目がなく
とくにオートボットの中でも物騒な武器をかかえ
黒色でビークルモードでも強そうなアイアンハイドに一目惚れした


プシューとため息のような排気が聞こえる

「今日はオフだから
アイアンハイドの部屋に行っていい?」

「部屋に来て何するつもりだ?
俺は武器の手入れをするだけだぞ。」

アイアンハイドは定期的に武器の手入れを部屋でする
オートボット姿であまりじっくり体のパーツやフォルムを見ることが出来ないので香織はその時を狙っていた

「一緒に居れれば何でもいい♪」

「…フン。ほら離れろ。」

2、3歩下がった香織を確認するとアイアンハイドはビークルモードからトランスフォームをする

あらゆるパーツが組混じりトランスフォームする姿も香織はうっとりするように見上げた

「あぁ…キャノン砲が汚れてるな。」
クルクルと回しギュッと拳を握る

アイアンハイドは香織が少し小走りするのを見て無意識に歩く速度をゆるめた

『何で俺はこいつに合わせてんだ…』
自分にあきれながらも速度は落としたまま自室に着いた

武器だらけの倉庫みたいな部屋のたかすみに
人間サイズのソファが置いてある
自室でも時々ネスト部隊員と話をすることがあるのでレノックスが置いたのだ

そのソファに座り香織はアイアンハイドに目を向ける
アイアンハイドは様々な武器をひとつひとつ手に取り丁寧に手入れをしている



しばらくすると視覚センサーからスゥスゥと音が聞こえた

音のするほうに目を向けると完全に寝ている香織の姿
戦闘には出てないとはいえネストの一員となると多忙な毎日を送る
眠さが限界にきていた香織はあっけなく目を閉じた

「…おい」
アイアンハイドは手に持っていた武器を置き香織に近づく
普段のアイアンハイドなら人間1人横で寝ていたって気に求めないが
今目の前にいるのは恋人
自分が好きな女だ

アイアンハイドは傷付けないようそっと人差し指で頬に触る


人間同士だと抱き締めたり触れ合うことなど簡単だが
自分は金属で出来た大きな固まり
香織からは抱き締めることはできても自分もしたら簡単に壊してしまう

せめて、彼女の温もりを感じかった

「ん…」
冷たいものが頬に当たってることに気づいた
「悪い。起こしたな。」
指を引っ込めようとすると香織はその指をパッと両手で掴んだ
「ふふ♪」
「なんだよ」
アイアンハイドから触れてきてくれたことが嬉しく思った


ほんとはもっと触れ合いたい
だけど人間のようには出来ない


2人はそれがもどかしかった
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