TF―長編完結

□【躊躇した先の後悔】
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_1ヶ月前_



「香波!!」


鉄ゾンビを銃で倒しながら歩いていると前から自分を呼ぶ懐かしい声がした

だがどこを見渡しても鉄ゾンビしか視界にはなかった

「まさか…?」

真正面に立っている、よく見覚えのある顔の面影がまだ残っている鉄ゾンビ

1番の親友のカーリーだった

「香波…助けて…!」

誰にとっても1番嫌な結末だろう

死にもせず知能もなくさずただ体だけが人間を殺す意思を持ち鉄ゾンビになることは


当然痛みの神経もある

感情も記憶も正常だ


「助けて…!体が勝手に動くし、もうずっと水も食べ物も口にしてないの…
苦しいよ、助けて…」

鉄と人間の皮膚がまざった体・・・

栄養が取れず太陽の光に弱くなった皮膚は火傷をしたようにただれ、

水分がとんでいてとても自分の知っているカーリーではなかった



助けてあげたい


自分の持っていた水筒を差し出そうとするが「体」が求めてるのは水ではない、人間だ

カーリーは水筒を振り払い香波を襲おうとした


「っ!!」

香波は避け、距離をとった

「どうしよう、香波…怖いよ…助けて…お願い殺さないで」


言葉とは裏腹にまた攻撃をしてこようとするカーリー

「ごめん、私もどうすればいいかわかんない…!」

一歩近づくたびにまた距離をとるがいつまでもこうしてはいられない


あまりあとずさりをしても、来た道を戻っている余裕などない

武器がなくなったら新しい所へ移動しているのでこのまま戻っては自分の身が危ないのだ


「お願い殺さないで!助けて」

泣きながら訴えてくる だが、獲物を追う体は香波を殺そうとしている



躊躇していたらカーリーの後ろからまた新たな鉄ゾンビが数体出てきた

香波は銃で倒しつつもカーリーは撃たずにいる

だが、本当にこのままではいられない



香波は銃口をカーリーの前に向けた
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