TF―長編。Sideswipe

□【同じ気持ち】
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紅葉を見終え、食事もした

途中噂を聞きつけたオートボットからの通信があったが、無視



あっという間に時間はすぎ、帰る時間になった



「優実!」



車に乗り込む前に、落ちた紅葉を踏みながら前を歩いている優実を呼び止めた



「ん?」

口元に弧を描き優しく笑う優実

今すぐにでも抱きしめたい

だけど、段階を踏まずにいくのはプライドが許さない



「本当は手を繋ぐ前に言うべきだった。」

そんな事を口にするので優実は体ごと向いた



手を繋ぐ前に?



少しだけ嫌な予感がした



実は彼女が居る

他に好きな人が居る



そんな言葉しか思い浮かばない



「俺な、」

不安げに優実の目線は下にうつった



「優実が好きだ。」





「え?」

わかりやすいほどストレートな言葉に顔をあげ青い瞳と目を合わせる



「ずっと、そばに居たいって思った。優実以外、考えられねぇんだ。」

もしかしたら断られるかもしれない

そんな覚悟を胸にサイドスワイプは真っ直ぐ優実に言った



優実は小さな声でこう答えた



「サイドスワイプの、彼女になりたい」



そんな控えめに可愛い事を言われたら

考えるより先に自分の腕は彼女を抱きしめていた



やっと全体で感じられた温もり

やっぱり、優実は小さい

そして良い匂い



優実もサイドスワイプの背中に腕を回しきゅ、と抱きついた



その弱い力が余計に愛しくて

次に目を合わせた瞬間、また考えるより先に体が動いた



柔らかい唇を割って、お互いの舌を絡めていた





前からこうしたかった

もっと早く言えば良かった



もう、自分だけのモノ

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