■その他キャラ■

□【ぺろり。】
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パソコンに向かう事4時間
やっと書類を出来上がらせコピーを取る
渡さなければいけない相手の居る場所へと歩く千恵美


「あ、スタスク。」
広いNEST内で出会ったのはD軍のNo.2
その姿はTの字の廊下にある頭上の大きな鏡で確認した

ここは戦闘準備でよく使うエリアなので急いでいてもぶつからないようにこういった鏡がいくつもある


「略すな。」
鏡越しに睨み現実の千恵美に目線を変える
「バリケード何処に居る?書類渡したいんだけど。」

ひらひらと文字がびっしりある紙を見せる
紅い目で一瞬スキャンしてみたがその内容は器物破損損害料金とか書かれてあった

「スタースクリームの分もちゃんとあるからね。ちなみに。」

本来“ちなみに“という言葉はついでにつけたりさほど重要じゃない時に使う言葉だが
そこをあえて語尾につけてニコリと笑う千恵美は恐ろしかった

あんな奴に戦闘以外で通信などしたくないが
ここは素直に従うべきだとブレインサーキットの判断機能が教える

「わかったよ。」
バリケードに伝え終えるとふと、千恵美の指に目がとまる

「この傷なんだ?」
書類を持ってないほうの人差し指の傷
少し深めに切ったような傷だった

「あぁ、急いでたらいつのまにか切ってたみたいで。」

この前だったかな、と目線を上にあげると鏡に写る自分とスタースクリームの姿
こんなに身長差あるんだ、と思った瞬間



「!?」
指に生暖かく柔らかい感触が伝わった

見れば、スタースクリームが自分の人差し指を舌で舐めてるではないか
くわえる様に唇で包み、舌で傷をなぞるように舐めている
その斜め下を向く顔はこんな状況にもかかわらず綺麗だ、と思ってしまうほど


じゃなくて、

「ちょ、何すんの!?」

書類をバサリと落とし勢い良く散らばっていく紙
手を引っ込め舐められた指を守るかのようにもう片方の手で胸の前で包む

「人間は舐めたほうが傷が早く完治するんだろ。」
「は?」

思わぬ回答にきょとんとしてると再びスタースクリームは千恵美の手を引っ張る
そして何の躊躇もなくまた傷を舐めだす

だれだ、そんな嘘を教えたのは!

仮にもNo.2である頭の良い(はず)のスタースクリームにこんな真似を…

「や、め」

真っ赤になってふと、上を見上げると鏡
鏡からだとまるで襲われてるかのような角度、胸に顔をつけてるような…

自分の戸惑った顔が余計そのような状況みたいになってしまっていて、恥ずかしくてたまらない

指先に全神経が集中する

温かい 柔らかい 優しく舐めてるのがわかる

ほんとに、舐めれば治るのを信じてる…



「これで良いのか?」

ぽけっと異様でエロい光景に見とれてるとスタースクリームは顔をあげた
「えっ、あ、うん」

何が「うん」だよ 早く正しい情報を教えてあげねば

あのね、と口を開く前にスタースクリームは舌打ちして早々にこの場を離れてしまった

まだされた事に勝手に1人で高揚してると反対の廊下からバリケードが歩いてきた

「おい、俺に渡す書類なに床に落としてんだよ。」

「っ、」

さっきまであんな事をされた直後、誰かに会うのは何だか気まずくて振り向けない
それに相手は人間に扮した金属生命体
もしかして今の光景バレてたらどうしようと心臓がバクバクと脈打つ


「聞いてんのか、虫ケラ、」

反応のない千恵美にイラついたのか肩をぐいと自分の方に向けさせる

頬が赤い

目を合わせない

様子が変だと思い軽くスキャンしてみると脈拍も早い



これは…もしかして…

「あ、書類ね。ごめん、手が滑って、落としちゃって!」

しゅっとしゃがみ表情を見られまいと下に散乱してる書類を必死にかき集める

だが動揺して全く書類を集められていない
何だかシャッフルしてるだけに見える
手に収まらず逃げるように滑る紙を見て落ち着けと言い聞かせた



「ごめん!私レノックス大佐に呼ばれてるから、自分で拾って!」

書類もろくに拾えないアホな姿を見られるのは限界だ

すくりと立ち上がり逃げるようにその場を走って去っていった



「…」

1人散乱した書類と一緒に残されたバリケード

だが怒るわけでもなくクツクツと笑って足元の書類を集めだした


   



ぺ ろ り 。




(怪しげに笑って散らばった書類を黙々と拾っている姿を見た軍人達は不気味がってました)





end





スタスクにホラを吹き込んだのはジャズとかレノックスあたりだと良いな←
そしてバリケードは千恵美ちゃんが自分の事を好きだと思い込み、
スタスクは嘘を信じたまま…すれ違いが起きるという展開誰か書いて下さい

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