TF―長編。Sideswipe

□【お家にご招待】
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≪着いた≫


9時53分
丁度良い時間にサイドスワイプからラインが来た

「わざわざありがとう。あと、助けてくれてありがとう、はいコレ。」
この前買って来た物を手渡す
「サンキュ!これ、酒か?」

お礼の品に選んだのは日本酒
グレーの綺麗なグラデーションをした風呂敷きに包まれた瓶
一本ではなく、二本が上手く1枚の風呂敷きに収まっている
ラインでのやり取りに日本酒は美味いとあったので一押しの日本酒を買ったのだ
「うおー!すげぇ嬉しい!!酒が好きなの覚えててくれたんだな!」
思いのほか喜んでくれた
優実も嬉しくなる

「お酒の話題出た時に、これにしようって思ったの。きっと美味しいよ。」
「ありがとな!あ、この布あとで返すよ!」
その言葉を聞いて優実は笑う
「いいよ、それも貰って。スワイプっぽいなぁって思って選んだから。」
「いいのか?」

銀のラメがわずかにかかっていて、シンプルだけど上質な日本の物だとわかる
「風呂敷きって言うの。どっちも日本らしいでしょ?」
「ありがとな!にしても、すげー包み方だな。」
1枚の布で、隙間なくきっちり二つの瓶が包まれいて、持ち手もちゃんとある
「風呂敷きはいろんな物を包むのに便利なんだよ。
よく包むから、瓶物は簡単に出来るんだよね。」
「よく誰かに酒あげるのか?」
どう巻かれてるのかわからない、綺麗な風呂敷きをまじまじと見ながら問う

「あ、うん。時々ね。仕事場の人とか、お世話になってるから。」
「器用なんだな。」



一通り会話が終わり、優実は「じゃぁ…」と言葉を繋げる
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