☆うたプリ〜短編〜☆
□看病してくれた
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『……………死ぬうっ………』
ただいまの体温、39.9度。
ついでに言うと、なんにも食べてない。
『……………はあっ…頭痛いよお』
けど、私は一人暮らしだから、誰も助けてくれないけど………
『うーん…明日締め切りの曲も手直ししたいし……んだあああああっ!頭痛くて、回転遅いし、こんな高熱のまま仕事してたら死んじゃうよっ!…いつどこでどうしたんだよお……!』
ベッドから、出ようとするにも、辛い。だから、ずっとベッドの上。
『………あと少しでお昼になるけどなんにもすることないしっ…ゲホゲホッ……もう一回一眠りしよ……』
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『…………ん?』
私が目を覚ました頃には、日が暮れていた。
?「………ネロ。キミ、バカだね。」
『…………え?』
横に振り向くと、藍くんがいた。
『あ、藍君ッ!?私鍵閉めたはずッ!』
藍「………ハアッ。(ため息)そんなこともわからないわけ?ネロって、ホント鈍いよね。」
『orz。藍君ごめんなさい。』
藍「まあいいや。ちょうどできたから、食べて。」
『………?』
藍君が一度キッチンのほうへ行って何かを持ってきた。
藍「はい。食べて。」
『…………すっごい豪華なお粥だね……』
藍「適当に作っただけだけど。ほら、あーん」
スプーンで、お粥を掬って、私の口元に差し出す。
『あーん。…………………なにこれっ!?すっごく美味しいよ!』
藍「一応、隠し味にもこだわったしね。ボクにとってはいい出来だったよ」
『え?隠し味……?』
藍「少し、ネロの苦手な野菜を入れてみた。」
『げっ!!!!!うそっ!』
藍「本当。嘘じゃない。けど、そんなに入れてないから、よくわかんないと思うけど。」
『………よかった…』
藍「熱は?」
『……………………39.9………』
藍「…………。寝て。早く寝て。死にたくないなら。」
『ええっ!?もうやだよお!一人はすっごく寂しいっ!』
なんてこと藍君に言ってんだろう。今更恥ずかしく感じてくる。
………というか、藍君がここに来てるってことは、夜オフだからだよね。ならいいよね!うん!恥ずかしくないっ!………………………気がする。
藍「…………ネロ。あのさ…」
『え?藍君?』
藍「ネロがそう言うなら別に………いいけど。」
『いいのっ!?やったあー!』
藍「だからさ………その代わりに」
『………!?』
藍君が近づいてきて、耳元で、
「…………キスさせて……?」
『/////////////っ!』
私はコクリと頷くと、彼が私の唇にキスをした。
………それはとても深くて、私の口に侵入してくる彼の舌。
必死に酸素が欲しくて息をしようとするが、それも拒まれて。
藍「…………っ」
『っ!?(苦しいよおっ!)』
最後には、舌と舌を絡めてきた。……というより、私、病人ですけど……
そして何よりも苦しいっ!!!
いつの間にか、唇が離れて、私は急いで酸素を吸った。
藍「あ、………苦しかったんだ」
『当たり前だよ!すっごく……苦しかったんだよ!』
藍「……………あっそ。…んじゃあ お粥全部食べて。寝るのはそれからね」
『……………うんっ!』
それで、その日はすっごく気持ちよく寝れたし、熱もおかげで下がったんだ。
______________藍君。ありがとう。