学園内の忍ぶ恋模様
□あまい、あまい、この子がほしい
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「うう〜!!土井半助めぇぇ!!」
ボロボロな真っ白な姿で、半泣きで、尊奈門は忍術学園の庭のすみにたおれこんだ。
にっくきかたき、土井半助は今日も余裕で尊奈門を倒し、今頃授業でもしているだろう。
尊奈門はぐじぐじと痛い体をだきこんだ。
みじめ、なんてみじめだ。このまま帰れば組頭にまた嘲笑われる。けど今処置道具はない。
「・・・・諸泉、さん??」
「!!だ、誰だ!!」
「わあぁっっ!!!」
膝をかかえうつむいているとちかくから声がした。あわててクナイをむけると、すっとんきょうな声。見ると見覚えのある顔がある。
「・・お前、確か保健委員の・・」
「は、はい・・」
びくびく手をあげている忍たまの足元には大量の包帯。びびって手をあげた拍子におとしたのだろう。
「あー・・わるい、おどろかし・・」
「っ酷いけがじゃないですか!」
「え?ああ・・おわぁっ!」
「保健室いきましょう!!」
「お、おい!!」
その忍たまは見覚えはあるがどことなくぱっとしない、地味なやつだったはずだ。呆然としているとあっという間に保健室につき、忍たまは尊奈門を無人のそこへいれ処置の準備をはじめた。
「・・・」
背中をみつめる。ふわふわの長髪。小柄な体。尊奈門の手を引っ張ったのは小さい柔らかい手だった。
(・・うわ)
(組頭たちが保健委員にはまる気持ち、わかるかも・・)
尊奈門が数馬にはまった理由がそんなんでないことに気づくのはもうすこしあとだ。