学園内の忍ぶ恋模様
□南天
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最近、よく通る道のそばに立派な屋敷が出来た。
「よく見れば見るほど、良いお屋敷だねぇ〜…」
「な〜。庭だけでもすげ〜金かかってるよなぁ〜」
「も〜きりちゃんてば目が小判になってるよ!」
「え?そお?」
まったくもう、とため息を吐きながら、またお屋敷を見る。
「広々としてて、きちんと設計もよくて、いいねぇほんと…」
「乱太郎、こういうのに住みたいの?」
「うーん、住みたいのとは違うなぁ。私、住むなら薬草とか植えられる家がいいなぁ!薬にできる実をつける木とかも植えてさ、家の近くにも澄んだ水とか、いろんな薬草があってね…!」
「委員会病じゃねえか!」
「なっ笑わないでよきり丸!」
「…でも、そういう家もいいかもなぁ。薬臭いから変な輩も寄り付かないだろうしさ〜」
「ちょっと…褒めてるの?けなしてるの?」
「山奥のこじんまりした家で、お前とずうっと暮らすんだ。しょっちゅうしんべエや先生を呼んでさ…ぜってえ楽しいよなぁ」
「…うん。そうだね」
「庭にはあれも植えようぜ!南天!」
「南天?」
「実は薬用に使えるし、木自体縁起がいいんだ!それにさ…花も、いい意味があるからさ」
「へぇ〜!いいね、植えよっか!」
南天*私の愛は増すばかり