学園内の忍ぶ恋模様
□山茶花
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最近、図書室に花が飾られている。
「…あれは何なのですか?不破先輩」
「え?よく僕だって分かったね」
「いえ…飾り方があんなに大ざっぱなので…」
「そうかい?いや〜丁寧に飾ったつもりなんだけどなぁ!」
「中在家先輩に怒られても知りませんよ」
「大丈夫、中在家先輩にきちんと許可を取ったから」
なにをニコニコと…。
不破先輩から目を離して、飾られた花を見る。
「そもそも、不破先輩は花がお好きだったのですか?」
「そうでもなかったんだけどねぇ〜。この前、七松先輩が滝夜叉丸に花を渡されていて、ああいいなぁって思ってさ。僕も花言葉を調べてみたんだ」
「はあ…は!?」
七松先輩が滝夜叉丸…先輩に花?花言葉?
ぐるぐると考えても訳が分からない。
そうしていると、目の前に花が差し出される。
「そうしたら久作に合う花が、山茶花があってさ。嬉しくて愛おしくて部屋にも教室にも飾ったんだけど、我慢できなくてここにも飾ってしまったんだ」
「…どうせ、堅物とかでしょう」
「あははは!どうだろうねぇ」
山茶花*ひたむきさ、困難に打ち克つ