学園内の忍ぶ恋模様
□月桂樹
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苦手な先輩が志を共にする先輩になって、優しい先輩から片思いの相手になって。
そうしていつのまにか、恋仲の先輩になって。
「虎若」
自然と照星さんが絡まなくても、傍にいてくださるようになった。
「なんですか?三木エ門先輩」
「呼んだだけだ」
後ろから抱き込まれて、頭に三木エ門先輩の頬が寄せられる。
僕の肌も髪も、三木エ門先輩とは比べ物にならないくらいなのに、先輩は僕の手をさわったり、髪を撫でたりするのが好きだ。
「…虎若…」
それと、僕の名前を呼ぶことも。
「はい、三木エ門先輩」
そうして僕が答えると、僕を抱き込む腕の力が強くなる。
まるで、本当にいるか確かめるように。
「僕はずうっと一緒に居ますから。…お慕いしています、三木エ門先輩」
月桂樹*私は死ぬまで変わりません