学園内の忍ぶ恋模様

□のそふぃりあ
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*成長
*乱太郎が心身ともに病んでる



私にはずっと大好きな先輩がいる。

忍術学園に入学して、保健委員会に所属することになって、出会った善法寺伊作先輩。

不運委員会、不運小僧と言われても、優しい伊作先輩と居れるのはとても嬉しくて、幸せだった。





だから伊作先輩が学園を卒業する日、伊作先輩から告白してくれた時はすごく嬉しくて、死んじゃうかとも思った。


『乱太郎、君が好きだ。君と離れたくないんだ。僕と恋仲になってほしい。・・・そんなにおびえないで。君が学園を卒業したら、二人で一緒に住もう。それまで、君の良い先輩のままでいるから・・・』


その言葉通り、伊作先輩は私が卒業するまで待ってくれた。

口づけはするけど、それ以上はしなかった。

恋愛に疎い私だから、保健委員会の時とずっと変わらない伊作先輩にほっとしていた。





今日、私は学園を卒業する。

伊作先輩はもう二人で住む家を用意していて、私は昨日、伊作先輩に案内してもらっている。

山奥の、あまり人が行かない落ち着いた所にある家だった。

空気も綺麗で、澄んだ水が湧いていて、とても気持ちがいい所。

『ここなら、病気に罹った人も心地よく過ごせるよ』

まるで保健委員会委員長だった時のような紹介に、笑ってしまったのも記憶に新しい。

伊作先輩が続けてくれていた先輩後輩の線を越えてしまうのは怖いけど、私は楽しみだった。




卒業イベントでは後輩以上に土井先生が号泣していた。

山田先生も気づけば泣いていて、私たちも耐えられず泣いた。

保健委員会の最後の集まりでも涙は止まらなかった。

すべてが終わると、は組で一度集まって再会を誓った。

きりちゃんのあきれ顔をよそに、土井先生が号泣しながら一人一人抱きしめて回るから、みんな泣き笑いした。



そしてようやく学園から出ると、母ちゃんと父ちゃんには一人暮らしをする、と行ってあったから、私は伊作先輩との家へ向かった。




「乱太郎、お帰り!そして、卒業おめでとう!」

「た、ただいま帰りました!ありがとうございます!」

ドキドキしながら家へ入ると、伊作先輩がご飯を作ってくれていた。

手伝いを申し出ると、お祝いだとやんわり断られた。


「伊作先輩、料理お上手なんですね〜・・・」


幾分か経ち、食卓に並べられた料理に感嘆を漏らす。


「うん、まあね。これからの為に勉強しておいたんだ」


(あ、家事は分担制なのかな?)


当たり前のように自分がすべてやる気でいたけど、この人は委員会でもみんなで分担、を好んでいたっけ。

緊張が解けて、幸せが満ちていく。

そして勧められるまま、食事を口へ運んだ。

「っ伊作先輩、すごくおいしいです!」
「ふふ、それは良かったけど。乱太郎、もう先輩はよしてくれないかい?」
「あ、そ、そうですよね!・・・伊作さん」

そう呼ぶと、伊作・・・さんは幸せそうに笑った。


(伊作、さん幸せそう。私も、幸せです。幸せすぎて、死んじゃいそう・・・)


どくん、どくん。

心臓がときめきすぎてうるさいくらいに鳴っている。




・・・今思えば、それは体からのサイレンだったのだ。





同棲してすぐ、私は体を壊した。

命の危険まではいかないけれど、中々完治が難しい病気に罹ってしまったらしい。

つきっきりで看病してくれる伊作さんについ謝ると、伊作さんは私を咎める。

もう僕たちは夫婦同然なんだから、謝るなって。

伊作さんは毎日優しく世話をしてくれる。

その顔は面倒等とはまったく思っていなく、とても幸せそうな顔だった。



(伊作さん、私、もう気づいているんです)



毎日伊作さんがくれる薬とご飯。

それを食べない日は、調子が良いことを。



(でも、そんなのもう、いいんです)



だって彼方は幸せそうで、私も幸せで。



「愛してるよ、僕のかわいい乱太郎」

「わたしもだいすきです、伊作さん」












のそふぃりあ*病症性愛
(これが私たちの愛の形)

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