屈折した、(愛の形)
□越
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(・・この下か)
変にドキドキしながら天井裏から下をのぞけば、顔もしらない奴の隣で数馬が寝ていた。
ふわふわの髪はほどかれて、ゆるゆると布団の上に流れている。
そういえば、この前・・
「数馬先輩ってなんでそんな髪がふわふわなんですか?いいなあ」
「ああ、藤内がいつもトリートメントしてくれてるんだ」
「あ〜!浦風先輩って作法委員会ですもんね!」
「そうそう。ほんとは作兵衛とかのトリートメントもしたいみたいだけどね〜」
と、保健委員の後輩と話していたっけ。
じゃあ、横の忍たまが浦風という作法委員か。
「・・んん〜・・」
(っう・・!)
ごろん、と浦風の方に向いた拍子にふわっと髪が動く。なんだこの匂い!
うずうずする気持ちに押され、音もなくそっと降りてみた。と、自分から匂う血の香り。
(今度、話しかけてみるかなあ)
本当はこのまま持って帰りたいけど、我慢だ我慢。
そうっと触った髪はやっぱふわふわで。
「・・今度会ったら、覚悟しろよ」
この匂いももとと、笑顔を見ない限りかえってやらないからな。