銀魂 ―そっくりなアイツ―
□お彼岸の墓参りは早めにしとけ
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「あーつー…
何で9月なのに暑いアルか。」
ソファーで神楽が突っ伏せながら呟く。
「暑い暑い言うな神楽。
コッチまで暑くなる。」
銀時は社長席に座り、うちわをパタパタと扇いでいる。
「ちょっと銀さんも神楽ちゃんもよけてください!
掃除が出来ないじゃないですか!」
新八がせっせと掃除機をかけていく。
「こんなときに限って真奈美はいねーしよォ。」
「仕方ないじゃないですか。
お彼岸なんだし、おじいちゃんのお墓参りに行ってるんですよ!」
新八は銀時の周りを掃除しながら言った。
そう、今は9月20日。
世間はシルバーウィークという連休に入っていた。
そのくせ、江戸は例年にないくらいの猛暑日で、クーラーのない万事屋はサウナと化していた。
「新八ぃ。
部屋の中が臭いアル。
洗濯物の生乾きの臭いはキツいネ。」
この猛暑日のお陰で洗濯物は乾かず、家の中は洗濯物でいっぱいだった。
外に干しても、中に干しても乾かない洗濯物は、生乾きの独特な臭いを放っていた。
「こんなとき、真奈美の笑顔があれば、気が紛れるのに…」
そう銀時が呟くと、玄関から女の声がした。