story

□天使の君と動かない僕
1ページ/1ページ

君は…天使だったんだね。


僕は博士に言われた。
もう動けなくなると。
働きづめに働いてろくに休みもとれていなかった。僕は人間と同じ。ロボットだから感情は伝わりにくいだけ。疲れるときは疲れる。動けなくなる…どういうことなんだ。
もうみんなと会えなくなる…

帰らなきゃ。僕ちんそろそろおしまいかなっ。最近からだが軽くなった気がする。人間としていられるのもあとすこしなのかな?最近みんな疲れてる。実際僕もそうだ。こんなにも人間って大変なんだ…そしてタイムリミットが近づいている。言わないと。


ある日僕は決めた。みんなに言うことを
「聞いてほしいんだ。」
紅茶を飲んでいたカミュも、がっつりご飯食べてたランマルも、なにか驚いた顔をしているレイジもこちらを見た
「ぼく…動かなくなります。」
それぞれみんな反応を示した。嘘だろっとランマルはぼくの肩を掴む。ぼくは首を横に降る。ランマルはその場に座り込んだ。カミュも驚いた表情を隠せないまま紅茶を一口飲んだ。そしてレイジは…笑ってる?

アイアイ動かなくなるんだ…しかも僕といなくなる時間も同じ?
「あのさぁみんなっ俺も…いなくなるんだ」
みんな驚いていた特にランランのあの表情はじめてみた。
アイアイも驚いていた。


あの日以来僕はグループを抜けいつもレイジといた。レイジはどうして抜けるのか教えてくれない。秘密って言ってばかりそんなこんなで…最終日。僕が生きる最後の日がやって来た。

僕はみんなをラボに呼んだ。真っ先に来たのはレイジ。
「教えて…レイジは……」
「僕…てんし」
「天使……?」
「うんっ…アイアイとあえてよかった。みんなにあえてよかった!幸せだよっ」 
「…うん」
僕は体がもたなくなり横になる
「…そろそろ行かなきゃ。」
「レイジ…これ」
僕はみんなでかったリングを見せる
「もちろんっつけてるよんっ」
レイジも見せた。
お揃いで買ったリング。
これがあれば四人はずっと一緒。
「アイアイ…行くね。」
「…天使さん…レイジ。ありがとう…」
僕は初めて涙が出た。
レイジはびっくりしていた。そして泣きながら笑って…消えていった。
消えた直後。入れ代わりのようにランマルとカミュがきた
「藍…」
「このリング。レイジも持ってた…二人は?」
「もちろん。あるに決まっているだろう」
「肌身離さずもってるっつーの」
二人も持っていた。僕は笑って
「…ありがとう」
それ以後の記憶はない。
ただ言えること。

僕は動かなくなって彼は天使だったこと。
奇跡をたくさん紡げたこと。
記憶のチップは奇跡的に動いているらしく…

「…はじめまして。ランマル。カミュ…レイジ」 

また三人に違う世界で会えたこと。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ