story

□幼い思い出
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オレは部屋を整理整頓していた。その時…ん?…これは四つ葉のクローバーの押し花の栞…?
いつ手にしたんだ?子羊ちゃんからもらったっけ?ちがうな…なにか古いそんな感じがする。

「入るぞ。」
「なんだ聖川か。」
「俺で悪いか。」

険悪なムードはいりまーすっと。
やはりこいつとはうまくやりきれないというか…

「部屋が散らかっているが掃除でもしているのか?」
「まぁね。いろいろ整理したくてね。」
「あ。それ。」

聖川はオレの持っていた栞を指差す

「ん?ああこの栞?どこで手にしたのかわからなくてね」
「…」

聖川はカッターシャツのポケットから全く同じものを出した。
そうか。思い出した。
小さい頃…あの原っぱだ。オレは兄さんの大切なアクセサリーをなくしてしまった。そして原っぱでオレは泣いていた。怒られる。怖くて泣いていた。
すると一人の同じ年の男の子が手を差し伸べた。そして

「これ。本当はおうちにもって帰りたかったものだけど。お揃いにしよう?なかないで。」

と四つ葉のクローバーをくれたのだ

「ありがとう…これ大切にするねっ!栞にでもしようかなっ」
「じゃぁ俺もするっ!」


…そうか。そうだった。
「忘れていたのか。」
「いいや。思い出せたんだよ。聖川に慰められたとはね…恥ずかしいな。」
「ふん…いまでも大切にしているんだなお互い」
「まぁね…。」

すこし暖かくなったお話。
大切にしたくなるお話。

「お前ら早くこいよ。仕事あるんだよ」
「はいはーいまってよらんちゃん」
「すみません黒崎さん。急ぎます」

俺はふと聖川をみる
聖川も俺をみる

「…なんだい?」
「いいや?なんでもない。」

とかいいつつ俺たちはくすっと笑いあった。

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