白河夜舟〜番外編〜
□風邪っぴきの苦悩
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どうも。私はここ、極楽満月で働く契約社員のみきです。姉のような存在の紅月に紹介されてここに就きました。
最初に言っときますが、白澤様とは恋人です。…多分。
いやね!!ちょーーーーーっと浮気が多くてね!!!
困っちまいますわぁーwwww
ほんと何回ブツを切ってやろうかと…まぁこの話は置いといて。
私は今絶賛風っぴき中です。
今は白澤様のベッドなう。ふかふかだね!!流石!!!
いや、うん。脳内ではこんな元気なんですけど、滅多に風邪ひかない私にはちょっと、て言うかかなりしんどくて。朝はそりゃもう大変でした。
「おはよーございまーす。」
「おぉ、みき。おはよう…ってなんか顔色悪くないかお前。大丈夫か?」
「嫌だなぁ桃太郎、大丈夫に決まってんだろwwwww。って言うかアレ?白澤様は?」
そう聞くと少し言葉に詰まった桃太郎が苦い顔をして教えてくれた。
「はぁー。…朝帰りだよ」
「またかあんにゃろー。ぬっころ」
付き合った当初は辛くて仕方無かったけどしばらくすると自分の中でも何とか感情に折り合いをつけられるようになった。
まぁ嫌なもんは嫌だしホントなら今すぐ側に言って問い詰めたいし泣きたいし…でも閻魔殿への薬の納期が迫っている中そんなことは言ってられない。
はぁ…頭痛いわ…。ちょっと怠いし。
あ、いかがわしいことはして無いよ?
ほんと、付き合っといてなんだと思うけどまだ1度も手出されてないし。
白澤様は私のことちゃんと好きなのか疑問だ。私は今にも泣き出しそうなくらい好きだけどね。
自分で考えてて辛くなってきた。仙桃取りに行こう。
「桃太郎ー、私仙桃取りに行ってくるね!」
「おう、気をつけてな」
「解ってるって!」
私はズキズキ痛む頭と怠い体を、少し調子が悪いだけだと軽い気持ちで籠を背負って出て行った。
「はーー!!!今日もいい天気!よしさっさと収穫して帰ろう!!」
そう意気込んで次々と桃を籠の中に入れていく。桃は柔らかいから傷つけないようにそっとね。
背負った籠に桃が半分ほど入った時、急に眩暈がしだした。こりゃ不味いと思ってつぎの桃に手を伸ばした瞬間。
世界が暗転した。