艦隊これくしょん―とある提督ととある艦娘の物語―
□横須賀鎮守府 その2
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〜横須賀鎮守府内、舞鶴鎮守府控え室前〜
ゆい「入りますよ〜」
優希「失礼します」
「おー。やっときたか。久しぶりじゃの、優希。いや、今は少佐殿か」
優希「ほんとお久しぶりです先生···ではなく内田大尉(たいじょう)」
内田「お前さんも意地が悪くなったな」
優希「誰のおかげでしょうか?」
内田「···ふはははは。懐かしいな」
優希「そうですね。3年振りくらいですか?」
内田「ああ、そうだな。兵科学校を卒業してその後の研修もわしのところだったからそうなるな」
優希「今ではあの頃が懐かしいですね」
内田「そうだな。で、資料には目を通してるんじゃろ?」
優希「ええ、一通りは」
内田「なら1つ質問する。お前はあの作戦には賛成か?反対か?」
優希「状況と条件次第ですね。しかし艦娘になってもあの子達は”人間“です。いくら普通の人間より身体が丈夫とはいえ危険な目には合わせたくは無いんです」
内田「ふむ。では、現時点での状況と条件じゃとどうじゃ?」
優希「反対します。艦娘は特殊訓練を受けた”人間の女の子“に艦の記憶や魂を埋め込んだものです。その記憶が悪い方向に働く可能性があります。それにミッドウェーといえば太平洋戦争時、四空母喪失などの悲劇が起こった海域です。そんな悲劇の記憶をもつ彼女たちを再び悲劇には巻き込みたくないんですよ」
内田「···その言葉が聞きたかったんだよ」
優希「へ?」
内田「わしもこの作戦には今のところ反対じゃ。もちろん柏原もそして横須賀の坂口提督もじゃ」
優希「じゃあこの会議にはなんの意味が?」