SKE長編〜競馬探偵優斗〜

□〜第七話〜
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『…旅行なん?』










雷「あぁ、だから明日代わりに買ってきてくれねぇかな。…とりあえず、これがマークカードと…あとこれ金な、足りなかったら言ってくれ。帰ったら払うから♪」










『あいよー、ほんじゃ楽しんできなよ♪…さてさて、おれも明日の予想すっかなー。…ってハンデ戦かぁ、こりゃ鞍上勝負になりそうやなぁ…』











さかえっ娘の一席で向かい合って座っていた二人、すると雷太は鞄の中からビッシリと買い目が塗られたマークカードと現金を渡してきた。









と言うのも雷太は日帰り旅行を翌日には控えており、日程的にも到底馬券を買える時間もなく優斗なら安心して任せられると読んでいたのだ。









そんな彼の予感は的中し、優斗はその依頼を二つ返事で受けては大事そうに自分の鞄の中にしまった。そして雷太は付け足す様に、万が一資金不足だった時は立て替えて後日教えてほしいと言っては一足お先に店を後にしたのだ。









一方の優斗は特に明日は急な予定もなく、閉店時間まで居ても問題が無かったのか彼を見送ったところで自分の方の予想に勤しんでいたのだ。





























あ「…良いなぁー、雷太さんと日帰り旅行なんてなぁ…」










ち「へへっ…せっかく雷太さんとお休み被ったから、楽しみだなぁー♪」










あ「うーっ、羨ましいぞーこのーっ!(ぎゅっ)」










ち「やめれーっ!///」











時同じ頃、休憩中のあいりんとちゅりも優斗達と同じ話をしていた。と言うのも雷太の旅行のお相手はちゅりだからである。









そんな彼女の期待に満ちた表情を羨んでいたあいりんは、八つ当たり的な意味を込めて横から抱き付いてきてはちゅりも抵抗する様に引き剥がそうとしたのだ。











ぴ「こらっ、ちゅりが嫌がってるでしょっ!」










あ「ぴーたんしぇんぱぁい、だってちゅりがぁーっ!(ぎゅっ)」










ぴ「分かったから、話は聞いてあげるから離れなさいってーっ!///」










見かねた二人のところへやってきたぴーたんはあいりんを引き剥がそうと注意すると、あいりんは一旦は離れたのだが今度はぴーたんにくっついてきた。









そんなやや半泣き気味のあいりんを落ち着かせようと、ぴーたんは優しくはなれさせようとしながらも彼女の言い分を聞いてあげると言って諭してあげたのだ。











ぴ「…なるほどね、つまりりんりんはちゅりが羨ましかったって訳ね…」










あ「…はい…」










ぴ「ちゅりもちゅりよ、そう言うのは自慢げに言うもんじゃないんだからね♪」










ち「はい…あいりん、ごめんね…」











ぴーたんは先程のやり取りを聞くとお説教するかの如く一言で纏めた、それにあいりんは弱々しい返事で認めたのだ。









続けてぴーたんはちゅりの方を向くと、自慢気に話した彼女にも非があると指摘してはちゅりも返す言葉がなくあいりんに謝ってきたのだ。











ぴ「うんうん、万事解決♪…あっ、そうだ…ねぇりんりん、明日あたしの代わりに休みなよ…それで優斗くんとデートでも行ってきたら?」










あ「えっ!?…い、良いんですか…ありがとうございますっ!!」










ぴ「だってー、りんりん本当に優斗くんの事好きなんだなぁって…ふふっ♪…あっ、そろそろ二人とも戻った方がいいよ♪」










「「はーいっ♪」」











事が収まった所でぴーたんは何かを思い付いた様に、あいりんと優斗をデートさせる為に翌日が休みだったのを入れ替えさせると提案してきた。









これにあいりんは驚きながらも、気遣い上手な先輩にお礼を言ってきた。それを見たぴーたんは彼女の優斗への底知れない愛情の深さに感服したのだ。









そしてぴーたんは時計に目をやると、二人の休憩時間が終わりかけていたので戻るよう促すと二人はすっかりご機嫌になっては元気よく返事をしたのだ。
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