SKE長編〜競馬探偵優斗〜
□〜第一話〜
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(AM11:25)
『んー…起きるよ起きますよ。』
その一言で目を覚ました一人の青年・白鷺優斗は携帯電話の着信に気付いて手を伸ばし、電話に出た。
『もしもひー…「もしもひじゃないわ!!」おぉ…雷太か。』
雷「いつまで寝てんだ、今日リハじゃろが。」
呆れた口調で注意をするもう一人の青年・鳥越雷太は優斗が所属するカバーバンド「Oceans」の大将でもある。
二人のやり取りの通り、今日は週末に迎えるライブのリハーサルがあり、その呼び出しの電話をしたのである。
(PM12:20 都内某ライブハウス)
『おはよぉさんー♪』
「うぃーっす!」
優斗の到着に挨拶を交わす一同、早速リハが始まった。
雷「今回はバラードだからなぁ…政俊のピアノ軸で行きましょうかな、となると…賢一と亮太はアコースティックでやってもらいたいなぁ。」
賢「斬新だな、まぁやるわ。」
亮「あいよっ、任しとき。」
雷「んで、謙太郎は控え目にいこうか。」
謙「おぉ、任せろ。」
こうして色々と細かい打ち合わせを終えたところでリハーサルに入る。
彼らのリハーサルはいつも雷太が聞き役に回り、そこからまた少しずつ修整をして何度かためしたところでお開きにするスタイルである。
雷「…よし、今日はここまでにしとこうか♪みんな上々だ、後は本番を迎えるだけだな。」
『よっしゃー、じゃあさかえっ娘行こうや!』
雷「すまんがおれはこの後バイトでな、今日はキツいな。」
『う…じゃあ賢一どないする?』
賢「マスターから何もねぇから付き合う。あかりも忙しいだろうし。」
『ありがとー、じゃあ向かうか♪』
こうして一仕事終えた一同は各々予定の所へ向かった。