AKB長編〜キズナ物語〜

□第7章〜迷い〜
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戸「…どうだ?」










『…うーん…とりあえずある程度なら出来なくはなさそうな感じですねぇ…ただぶっ通しは無理やと思いまっせ…』











AKB劇場内の一室、優斗は先日の負傷で傷めた右手で握手が可能かどうかを戸賀崎と試していた。









と言うのも三日後に行われる全国握手会に優斗も参加する事が急遽ながら決まったからである。









先日の傷害事件も無事解決し、戸賀崎をはじめとする運営サイドだけでなく康自らも積極的にマスコミを通じて再発防止に取り組んでいた。それだけ優斗に託す期待も大きいのだろう。











珠「失礼しまー…あーっ、優斗さーん!!」










『ぎゃーっ!!』










戸「あっ、おいこら珠理奈!!」











突然やって来た珠理奈が優斗を見付けると急に笑顔になり、飛び付いてきたのだ。それをすかさず戸賀崎が引き剥がす。











『はぁ…はぁ…カスタムさん…すんません…』










戸「まったく…んで、どうしたんだいきなり…」










珠「あっ、そうでした。あの…優斗さんに明後日のS公演に出てもらいたくて…」










戸「まさかとは思うが…また渡辺(みるきー)が優斗に会いたいからだなんて…」










珠「いえ、今回はSKEファンの皆さんからの依頼だそうなんです…なんでも…」











珠理奈が優斗に依頼をした理由、それはSKEファンからの挑戦状的な意味もあったのだ。









チームSの[制服の芽]公演と言えば激しいダンスを軸とした曲揃いとして有名であり、中でも[楽園の階段]は群を抜いて激しさが尋常ではなく、優斗がそれをこなせるのかという興味本意から依頼をSKEの運営サイドに打診したと言うわけである。











『…なるほど、理由としては面白そうな理由やな♪…よっしゃ、その依頼乗ったるわ♪』










珠「ホントですか!?ありがとーございます♪(ぎゅーっ)」










『くっつくなー!!』
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