グラジオラス
□バレーボール部
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鈴が体育館を覗くとバレーボール部は丁度片付けをしていた。
「いない....」
「誰が?」
鈴の呟きにオレンジ色の男の子が元気良く反応した。
びっくりした....
鈴はバクバクとなる心臓を押さえつけた。
「えっと、「何サボってんだ日向ボゲ!」....」
鈴の言葉を遮って目付きの悪い男の子が来た。
もうやだ。
「ん?誰だコイツ」
目付きの悪い男の子が鈴に気づいた。
「....椎名鈴」
一応名前を言う。
「どっかで聞いたことあるな....うーん」
オレンジ色の頭を傾げる。
「何やってんだ?」
新たに人が来る。
「あ」
昼休みに目があった優しそうな先輩だった。
「君は昼間の....自宅謹慎の子!」
何かグサッと来た。
別に自宅謹慎のことは気にしてないけど優しそうな顔してそんなはっきりと言われると....
複雑な気持ちになっているとオレンジ色の子が「あっ」と青くなった。
「入学早々ちょっと話しかけただけの先輩たちを一瞬でボッコボコにして自宅謹慎になったっていう噂の人だ!」
何か....すごい理不尽な人みたいな噂だ。
噂に尾ひれが付くってこういうことなんだ、と少し感心する鈴。
「そんな奴いたのか?」と目付きの悪い男の子が少し驚いた様子だ。
優しそうな先輩は何か考え込んでいるようだった。
「何だ日向!不良か!....って女子じゃねーか!」
「何!?」
なんか....また増えた。
助けて....
心の中でそう呟くと救世主が現れた。
「何やってんの?」
「蛍ちゃん!」
「「「蛍ちゃん!?」」」
「....その呼び方やめてって言ってるデショ」
月島が顔を歪めて言った。
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