デュラララ
□アザミ
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第1話 転校生
「....地図によるとここが『来神高校』かな?」
そういって門の前に立つ少女の髪を
風がさらりと撫でた。
「五十里夏帆です。
仲良くしてください。」
そう言って微笑む転校生に
何故かクラスのほとんどが目を奪われた。
特別美人なわけでも
特別可愛いわけでもない、
まあどちらかと言うなら美人な彼女の笑みには何か人を惹き付け、安心感与えるものがあった。
「え、まじで?」
「そーなんだ!」
「夏帆ウケるーw」
「え、そう?」
あはははと笑い声が聞こえる中心には
今日転校してきたばかりの五十里夏帆がいた。
どうやら早くもクラスに馴染んだようだ。
すげぇコミュニケーション能力だな....
と関心....というか少しの羨ましさを感じながらも
自分には関係ないことだと平和島静雄は机に突っ伏した。
夏帆はその様子をちらっと見て
今度はあの人に話しかけてみよう、と
思っていたことは誰も知らない。
もっとも、知っていたら
きっと周りが全力で止めていただろうから
彼女にとっては好都合だったかもしれない。
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