黒子のバスケ

□真っ赤な耳
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「むっくん」

「んー?なにぃ?」


黒崎は自分の恋人が手にしているものを見た。


「おいし?ソレ」

「うん。レイちんの作るお菓子はいつでも美味しいよー」


そう、その手には黒崎が昨日作ったお菓子がのっていた。


「でもほんともったいないよねー、レイちん」


何が? と黒崎は自分のはるか上にある顔を見つめた。


「だってお菓子作るの好きなのに自分は甘いものとかあんま好きじゃないでしょー? かわいそー」


そう言って本当に可哀想なものを見るみるかのように黒崎を見た。


「あはは! だからむっくんにはいつも感謝してるよ」

「んー....まぁ結婚したらそっちの方が都合いいよねぇ」

「結婚って....」


そんな軽々しく言わないでよ、と続けようとした黒崎から漏れたのは笑みのみだった。


なぜなら
その視線の先には....


珍しく真っ赤になった耳があったからだ。




「これからもよろしくね、むっくん」



この呼びかけに紫原はなにも言わなかった。



が、



__チュ



将来の小さなパートナーに優しいキスをした。

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