短めのお話

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どうぞ、と渡すと



「あ、英語聞き取れたんだ。俺はコントレックスがいいから用意しておいてね」



と馬鹿にして笑われた



本当大っ嫌い

アーティストじゃなかったらぶん殴ってる




朝方まで続いたレコーディングも終わり皆帰宅した


私は1人残ってコンソールやレコーダーの手入れをする


大事に大事に磨き上げる


ふと視線を感じて振り返るとそこには腕を組んで私を見下ろしているGDがいた



「…げっ!」


「げってなんだよトップアーティストに向かって」


「あ、いえ…モウシワケゴザイマセン」



棒読みで謝ってスタジオを出ようとした

少しでも同じ空気に居たくない



GDは待てよ、と言うと私の腕を強引に掴んだ



「離してください、私あなたのこと嫌いなんです!」



はっと私は自分の口に手を当てる



「付き合ってない女に面と向かって嫌いなんて言われたの初めてだ」



GDはムッと顔を顰めたがその発言がまた癇に障る


こうなりゃヤケよ!どうにでもなれ!



「では付き合った女の子達には嫌いって振られてるんですね、トップアーティストのじーどらごんが!」



GDのイラっとした空気が伝わる

私の腕を掴む力が強くなる



「痛い、離してください!」



GDはハッとした表情になり私の腕を離す
私は逃げるようにその場を後にした



  
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