短めのお話
□My Favorites
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「Can you go buy water?」
は?今私に言った?
ここはとあるレコーディング施設
今をときめくBIGBANGのリーダーGDがここでレコーディングをするらしく
連日スタッフが総動員で対応している
下っ端アシスタントの私も彼のレコーディングにつきっきり
でも流石は自分のグループをプロデュースしてるだけあって殆どの人は立ちっぱなしで彼の行動を見守るだけ
私レベルになると話しかけられることもなく
あちこちに移動する彼の邪魔することしかできない
時々、本当に鬱陶しそうな目をされるし「邪魔だなぁ…」と呟かれたこともある
そのレコーディングの最中の出来事だった
音を調整する機械から目を離さず放った言葉
英語だったけど…水買ってきてって言った?
確かに私はアシスタントだけど雑用では無い
最近は勉強の甲斐あって編集の腕もあげたと自負してるし褒められることも増えたのに
水を…
現場のピリッとした空気に先輩達も私に行ってこいと目配せする
パッとその場を離れて自販機に向かう
沢山勉強したのに…アーティストの足元にも及ばないの…?
込み上げる悔しさが涙となって溢れ出る
しかし彼に涙を見せるのも悔しい
ぐっと涙をぬぐい水を買ってスタジオに戻った