Long
□1.出会い
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今日から新学期が始まり、俺、黒崎輝は月ノ宮学園高等部1年E組に編入する事になった。
この学園は中等部の持ち上がりが殆どということで少し目立ちそうだが…目立つことは嫌いだ。
まぁ目立たないようにひっそりと卒業できたらいいなぁ、なんて思っていた。
なのに、早速…。
「…お前が俺の同室者かよ。チッ…、おい根暗、水買って来い。」
「は?」
俺の寮の部屋にはどっかの族の総長をしているだとか、同室者になった奴を三日足らずして毎回毎回病院送りにしているだとか悪い意味で目立ちまくっている那加野千隼がソファーで足を組みながら俺を睨んできた。
…なんでこんな事を知っているのかというと、まぁ早い話理事長から聞いたからだ。
パシリかぁ、面倒くさいな。しかも同じクラスか…。
那加野千隼は実力だけはSクラス並だが、素行の悪さや筆記テストの成績の悪さのせいでE組落ちしている。
そんな有名な那加野千隼のパシリなんてしてたら俺まで悪目立ちしてしまうし、学校では俺に近寄らないように言い聞かせるしかない。
「んだよその態度。
俺に刃向かう気か?おもしれえ。痛い目見せてやる。
破壊の炎-ディストラクションフレイム-!」
どうやって言い聞かせればいいんだろう、話し合い?言いくるめ?
…なんて考えてたらいきなり火属性の上級魔法を撃ってきやがった。
俺が本当にEクラス並の実力しかなかったら病院行きじゃあ済まされないレベルだぞ、これ。
まぁ俺には関係ないかと思い、その魔法をモロに受けてやった。