太陽と月

□01.出会ったのは
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青い空、青い海、
その果てしなく広がる海に浮かぶ一隻の船。


そして‥‥


「てめえは何者だ?」

『な、何者と言われましても‥』



現在、その船で縄で体を拘束されているのは、わたし、ひなたでございます。


わたしを見下して、刀を向けて脅す目の前の高い身長をした男は、
視線で人を殺せるんじゃないかってくらいの勢いで睨んで威嚇をしてくる。


「5秒以内に答えなかったらバラして海に捨てる」

『えっ、ええ、っと‥』


なにか答えなければ、と思うがこの状況が全くわからず焦る、わたしの頭は一向に素直に働いてくれず、頭が真っ白で何も言葉が出てこない。


そんなわたしの頭の状況などもちろん知らないこの男は、
「5、4」と死のカウントダウンをし出し、わたしの頭はパンク寸前の状態である。


『ちょっ、えっ、まって!』




ーどうしてこうなった!



ーーーそれは遡ること少し前のことー


『どの本がいいかなぁ‥』


わたしは大学の課題で調べたいことがあったため、図書館で本を探していた。


正直、わたしは本を読むのが苦手だ。自分から図書館に行くことはめったにないのだが、課題があるため致し方ない。


それにしてもたくさんあるなぁ、と適当に館内を歩く。どこを見渡してもあるのは本ばかり。←(図書館だから)目がぐるぐるしてくるよう。


適当に本を取り出しパラパラとめくる。うん、字がびっしり書いてあるね。この本はやめようかな、棚に戻そうとしたら、後ろにバサリと何かが落ちる音がした。


後ろを振り返ると、一冊の本が落ちていた。どうやらこの本が落ちたらしい。

『わ、古そう‥』


拾い上げ見ると、その本は茶色く汚れていてすごく古くいかにも年期ものという感じの本だ。
表紙は英語で書かれていた。


ー"Large pirate era"そう表紙に書かれてある。どういう意味だろう。



中を開いて見て見るとやはり、英語がびっしり書いてあり、即、この本を閉じようとした。だって英語わかんないんだもんね!!


しかし、突然その本が突然ピカーッと輝きを見せた。
あまりの眩しさに目を閉じた時、突如浮遊感を感じ、身体が引き付けられたと思ったらその本に吸い込まれるような感じがした。


少しして、目を恐る恐る開いてみると、さっききまでの本に囲まれた風景のはずが、周りには樽やらが置いてあり海が見える風景で。‥ん?海?


あれ、おかしいな。

海ってなんだっけ?


あの青くて広くてザブーンってなるあれだよね?うん、そうだ。
じゃあおかしいのわたしの頭じゃなくてわたしの瞳かな??手でごしごしごし、と目をこすってみる。


ごしごしごし、‥‥あっ、ああぶ危なかった。こすりすぎて目が取れちゃうかと思った。目が取れそうなほどこすったのに、う、海が見える。しかも心なしかさっきから地面がグラグラ揺れている気がしなくもなくもないと思ったらない。あれ、どっちだ。


なにこれ、なにこれなにこれ。
‥よ、ようし、一回落ち着いて考えるのよ、ひなた!


まず、ここはどこ?
わたしに何が起こってるんだ?
これは夢?


そしてわたしはダレ?


‥いやいやいやいやわたしはダレかは一番、自分がわかってるじゃないか?わたしはひなた。うん大丈夫記憶喪失にはなっていない。‥余計なことを考えてるんじゃありませんわたしの脳みそ!


『‥‥ん?』


ふと何か視線を感じ、右斜めを見ると、オレンジ色のつなぎを着て、帽子を被った人がいて、パチリと目が合った。

その人はぽかんと口を開けてこちらを見ていて、突然ハッと我に返ったかのような顔をし、口を開いた。



「‥うぎゃぁぁあっ!!!!」

『うぎゃぁぁぁっ!!!』


突然悲鳴を上げられ、驚いたわたしもつい悲鳴を上げてしまった。
そして、その人はわたしをを指差しこう叫んだ。


「出たぁぁぁぁっ!!!」


最初に出会ったのは
人をオバケ扱いするビビりさんでした

(シャチどうした?!)
(きゅっ、急に突然この女が現れたんだ!!)
(おっオバケ??!!!)
(わたしはオバケではないです!)
(オバケがしゃべったぁぁ!!)
(お前はいったん落ち着け)



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