扉の向こうに
□探検しましょう
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「ん?サンジどうしたんだろう」
そういえば、と首をひねるひなた。
「ああ、サンジくんはほっといていいわよ。あれは病気だから」
ひなたは病気って‥と、ナミの毒舌にサンジをあわれむ。
「なんでここでルフィと一緒に寝てたの?」
「あ、 ベランダにいたらルフィも来たから、冒険の話してたの!」
「そういうことね」
「ね、ナミも海賊なんだよね!」
いきなりぱあっと顔を輝かせて前に乗り出すひなたに、ナミは少し後ろにのけぞりながら、そうよ、と頷く。
「じゃあさっ!冒険の話聞かせて!」
「いいわよ、たくさん話してあげるわよ」
一瞬目を丸くしたナミだったが、
ふっ、と微笑んで頷くと、ひなたは、ほんと?やったあ〜!と、ニコニコ笑って喜んでいる。
そんなひなたに、何がそんなに嬉しいのか、不思議に思うナミだったが、ひなたの笑顔を見てつられてクスリと笑った。
「ナミすわん、ひなたちゅわん、朝食の支度が出来たよォ!!」
サンジの声が聞こえ、
さきほどひなたが喜んで立ち上がった拍子に、ひなたに寄りかかって寝ていたルフィは顔面を地面に打ちつけたが、そのまま起きずに、うつぶせのまま寝てるルフィをナミが起こす。
「んあ?なんだ、飯かあ?」
「そうよ」
「あれ、ルフィ鼻血出てるよ」
鼻血を流すルフィに
大丈夫?どうしたの?ティッシュを渡して不思議そうな顔をするひなたを見て
いや、あんたのせいだ、とツッコみたくなるナミだった。
リビングに行くと、すでにゾロとウソップは席についていた。
おはよう、とあいさつを交わし、残りの三人も席につく。
そして、最後の料理を机に並べサンジが席につき、それぞれ食べ始める。
「ん〜!サンジの料理はほんと、おいしー!!」
ひなたは、頬いっぱいに食べ物をためながら笑う。
「ひなたちゃんが喜んでくれるなら、俺はなんでもつくるよォ!」
サンジはそんなひなたな朝からハイテンションにメロりんとする。
「そういえば、ナミ。俺たちどうやって元の世界に戻るんだ?」
ルフィから食べ物を取られ、わめいていたウソップが言う。
「そうなのよね、そこが問題なのよ」
ナミはう〜ん、と手を顎にあて考える。
「あたし達はなんでか知らないけど、気づいたらひなたの家にいた。だからとりあえずこの家を探検してあの穴がないか探してみましょ」
ひなた、荒らしたりしないからいい?と聞かれたひなたはもちろんいいよ、と頷く。