-妄想合いっ子-

□一話『電車内は心臓に悪いです』
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私の名前は、神那木みこと。
好きなものは、インターネットと彼氏の黄瀬涼太くん、です…。恥ずかしいな…。




「ごめんね、せっかくのオフに付き合ってもらっちゃって」



ガタンゴトンと電車に揺られて、私は涼太くんに話しかける。




「別にいいッスよ。みことっちのためなら…。それに」




涼太くんは私の頭に手をおくと、意地悪な笑みを浮かべた。



「みことっちだけだと、高校生に見られずにケータイ買い替えられなさそうッスから」




「ち、ちっちゃくないよ!!!!」




冗談ッス、と涼太くんが無邪気に笑う。…確かに身長は中の下だよ、まったく…。




こんな感じで付き合い始めてはや一ヶ月。
でも…まだ、その、”キス”というものをしたことがなく…。まあ照れで私が逃げてるんだけども。




「う、わ……!」



ガッタン!


電車が大きく揺れた。私は体勢を崩し一気に倒れていく。ああ、電車の床さんこんにちは……。




がしっ


「っと……みことっち大丈夫?」


涼太くんが私をつかんでくれたおかげで、何とか床さんとのご挨拶は免れたようだ。



「う、うん…」

「よかったッス」



わ、ちょ、近い近い…!!!!!!!!


「りょうた、くん…!!ここ電車…!他の人もいるんだから……!!!」


私が抗議するも、涼太くんは私を思いっきり抱きしめた。



「また揺れてこけたら危ないから、俺がぎゅーってするッス」

「涼太くん…!」

「みことっち…」


コラアアアアア、さらにぎゅっとするなアアアア!!!!!!!!(心の叫び)



「ひうんっ……!」

「っ……可愛いッス…」


私の反応を楽しんでるのか、わざと腰元の手に力をこめる彼。



そんなことされたら私、私……!!!!



説明しよう!
神那木みことの小さな脳が現実を処理しきれなくなると、思考回路がショートし、妄想の世界への扉が開くのだ!!!!☆





妄想スイッチオン!!!!




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