-妄想合いっ子-
□七話「事件は起こる」
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「今日の練習はこれで終了だ!!各自明日も頑張るように!!」
「「「「おつかれっしたぁ!!!!!!」」」」
笠松先輩の号令、それにこたえる俺ら部員の叫び。
いつも通り。
はー、疲れた。
帰ってゆっくりシャワー浴びたい。
「なあなあ、こないだの文芸部作品見たか!?」
同級生の声。
文芸部といえばみことちゃん…。
フられた手前、思い出したくないッスねぇ………
「ほーんと文芸古町さんのって面白いよなー」
「そーそー、小説とかまったく読まねえ俺らでも楽しめるしよー」
「どんな人なんだろーなー…」
「お先に」
それ以上話を聞きたくなくて、部室を飛び出した。
………今、元気ッスかね。
「…!?」
頬が濡れる感触がする。
目もだんだんと熱くなってきた。
「あー………………そっか」
――――俺はまだ、彼女のことを……
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