-妄想合いっ子-
□五話「どこに行くの」
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「…何でわかったんスか、黒子っち…!!」
「勘です。まさか本当に出てくるとは思いませんでした」
ああ……ポカンとした顔もキュートッス、みことちゃん…!!
「もー、きーちゃん。盗み聞きなんて趣味悪いよ!!」
「…ごめんッス」
「黄瀬、涼太くん…で合ってる?」
「はいッス!!!」
可愛らしい声で名前を呼ばれた。
こんな近くでもう一度向き合えるなんて……!!
「きーちゃーん?目が危ないよー?」
「神那木さん、部活開始時間の10分前です。文芸部って他より早いことで有名ですし、そろそろじゃないですか」
「あ、そうだ!!」
彼女は慌てて荷物をまとめると、去り際にこちらを向いた。
「ありがとう、さつきちゃん、黒子くん!!あと、黄瀬くんも!!じゃーね」
手をフリフリしながら廊下を小走りで突っ切っていく。
俺はポーッとして見とれてしまっていた。
「きーちゃん、もしかして……」
「どうりで昨日から様子がおかしいと思いました。……まあ、いつもおかしいですけど」
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