-妄想合いっ子-
□二話「モデルでも惚れる」
1ページ/2ページ
バスケの休憩中、一人の女の子が体育館へ入ってきた。
また俺ねらいの女の子ッスかねー、と思っていたら、彼女は俺の脇をすり抜けどんどん中へ。
まるで、俺のことを知らないみたいに。
赤司っちの話によれば、彼女は文芸部員で、体育館の景色をしっかりと覚えるためにやってきたらしい。
そりゃまあご苦労なことで、と特にやることも無かったのでその子をみていた。
まあだいたいの部員がそうしてたんスけど…。
そのときだった。
「ねえ」
紫原っちが話しかけた。
彼女は返事はしたものの一瞬たじろぐ。
まさか、あんなにデカくて目立つ紫原っちも知らないんスか…?
「たのしーのー?それー」
「…え、あ、これ?」
「うん。チョコチョコ歩いて、ノートに書いてって。地味じゃないー?」
紫原っちは好奇心からその疑問をぶつけたんだろう。
彼女は「あー…」と呟く。
まあどうせ、「仕方ない」「めんどくさい」とか言うんだろう。あくまで義務として。
俺はじっと見ていたが、この考えは覆されることになる。
「でもやりたくてやってるから。地味でも楽しいよ」
「…!!」
そこで俺は初めて彼女の顔を真正面からハッキリと見た。
なんて、可愛いんスか…!?(←あっさりフォーリンラブ)
.