黒バス中編・短編集

□照れ屋もここまでくると病気
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前回、俺は委員会があると言った。


しかしそこにはちょっとしたトリックが存在する。




「…………」


「あ、いーよいーよ、俺がやる」


「え、いや、大丈夫!私やるよ!」




俺は『委員会がある』とは言ったが『会議がある』とは言ってない。


先ほど必要書類を提出した後、教室まで戻ってきた。委員会は終了だ。






というわけで物陰から経過観察中なのだよ。








だが。





「あ、じゃあ、俺が力仕事するから、志摩ちゃんは日誌書いて!」



「でももうほとんど終わってるし、本当は日直じゃない高尾くんにばっかりお願いするわけには……」



「はーい、異論は聞きません。机運んじゃいまーす」



「わー!待って待って!!!」





どういう状況だこれは。



うまくいっているのかどうかよくわからないのだよ。





「んー、じゃあ志摩ちゃんは椅子運び。で、どう?」



「え?」



「おーねーがーい。男子としての面子は保たせて?」



「あ、うん、わかった……」





なんだか見ているこっちがむず痒くなってきた。が、一応は順調そうだ。



「おっと」



「あ!ごめん!日誌落としちゃった……」




もう俺が見守る必要はないだろう。と、思った時だった。




ピト



「あ、」


「あ、」





俺がちょっと目を離した隙に、日誌を落としていたらしい。


高尾と伊勢が拾おうとしたみたいだが、どうやら手が重なっている。



ラッキーなのだよ。これは二人が恋仲になるのも時間の問題…………。





「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!?」



「あれ、ちょ、志摩ちゃん?そんな顔赤くしちゃって、どうし、」


「ご、ご、ごめんなさい〜〜〜〜!!!!」






ダダダダダダダダダダダダダダダダダ












は?









「え、ちょっと志摩ちゃん!!?…………ってなんで真ちゃんいんの!?委員会は!!?」



「…………なぜだ」


「それはこっちのセリフなんだけど!!説明しろよ!!なーあ!!」






照れ屋もここまでくると病気
もうお手上げなのだよ

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