お題系夢小説
□頭ん中、おまんばっかなんじゃけど
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「……仁王」
「雅治って呼びんしゃい」
「……雅治」
「なんじゃ?」
「近い。もう少し離れて」
「嫌じゃ。今伊勢に俺の匂い付けとるき、マーキングじゃマーキング」
「いや、だからってそんな全身でスリスリしなくっても……」
エマージェンシー、エマージェンシー。SOS、SOS。
彼氏が話に頷いてくれない。
「離れるなんてそんなん、俺にとっちゃ拷問ナリ。辛抱しんしゃい」
「それ10分前にも聞いた。離して」
「と、言いつつも俺の腕を掴んどるのはなんでかのう」
「……うっさいな」
「照れ隠しじゃな。可愛ええ」
「ん…」
頬に軽くキスをして、満足そうにまた体を寄せる仁王……じゃなかった、雅治。
それから何かアクションを起こすわけもなく、ダラダラした時間を過ごしていた。
すると、雅治が沈黙を破る。
「……なあ」
頭ん中、おまんばっかなんじゃけど
(「あ、そう」なんて素っ気なく返す私)
(だって、言えるわけないもの)
("私も"なんて、ね)
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