変態特別注意報
□五話「姉とテニス」
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「ふんふふーん♪」
茜が差す教室。ペロッと情けない音を出しながら、私は「世界の蛇特集」のページをめくる。
あーいいなー、この骨がない感じ……。
うにょうにょと一生懸命前進しようとする愛くるしいボディも、私にとっては魅力の一部としか見れない。
「姉ちゃーん…って、また蛇か」
「あ、赤也」
休憩時間になったのか、ユニフォーム姿の赤也が教室に入ってきた。
私はいつも赤也と一緒に帰宅する。
うーーん……部活のある赤也を待つために教室でたそがれてるけど、やっぱり暇なものは暇だな……。
そうだ。
「赤也」
「んぁ?」
いきなり声をかけられて驚いたのか、ピクリと身を震わせる赤也。
「テニス部の見学に行ってもいい?」
「……へ?」
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