変態特別注意報

□三話「姉とガムと犬っぽいアイツ」
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ガラッと気怠げに教室を開ける。



「……ん?」



なんじゃ、まだ来ちょらん。




大方、赤也とブン太に挟まれてゆるゆる登校しちょるんじゃろうが…。





来るまで寝ようかのう。そう思って机に突っ伏したときじゃった。





「おはよー」




ガバッと、勢いよく起きる。


その瞬間、目の前が光で満たされたみたいにキラキラした。



「あ、雅治。おはよー」



「千秋ちゃん……!!」



あっという間に俺の腕の中には、愛しい愛しい千秋ちゃんの姿。




千秋ちゃんの後ろでブタが泣いとるが、そんなもん知らん。



アウトオブ眼中じゃ。




「会いたかったナリ……!!」



「昨日も会ったでしょー?大袈裟だなー」




ふふ、と動じずに笑う千秋ちゃん。



あの弟が大事にする訳じゃ。





「おい、仁王!!そろそろ離れろよ!!」




「発情期のブタは丸焼きにされて帰るんじゃ」




「誰がブタだこのヤロウ。つーかお前も似たようなもんだろぃ!!」




「俺は純愛じゃもん。千秋ちゃんの体だけが目当てなブン太と一緒にせんでくんしゃい」



「おー、じゃあその尻を撫で回している手は何だよ」


「……おっと」





「ッハハ……まさ、背中、くすぐったいっ…」





きゅん。




「可愛いナリ……っ」




ぎゅっぎゅっ、と強く抱き締める。


ふわふわと千秋ちゃんのポニーテールから甘い匂いが漂ってきた。



いかんいかん……ムラムラしてきたぜよ……





「もぉぉぉぉいい加減離れろよ!!!!!」






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