-もっと!妄想合いっ子-
□九話「不安」
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開会式を無事に終えた後、私たちは選手控え室にいた。
皆さん、ストレッチをしたり音楽を聴いてモチベーションをあげたりと、思い思いの過ごし方で初戦に備えている。
私は、というと……
「え、っと……涼太くん…?」
何故か涼太くんの膝にいた。
いや何で!?
皆さんも集中力を高めるためだとか、体を温めるためだとかで、こちらには目も向けない。
……いや、その方が嬉しいんだけどもっ!!
「あのね、みことっち」
「は、はい」
「この会場、何人か知り合いが出てるんス」
「知り合いって……帝光の…?」
「ん…」
肯定、の意味も含んでいるのか、私の背中に頬ずりをする涼太くん。
表情は見えないけど、きっと彼の顔は私の予想と同じなんだろうな。
「みことっち」
「…?」
「俺、勝つから」
「っ…」
「勝って、勝ちまくって…」
"みことっちに、最高の景色を見せるッス"
「っ……はいっ」
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