-もっと!妄想合いっ子-
□八話「会場入りの海常」
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---インターハイ予選会場前 海常高校バスケ部集合場所---
「わー…………」
隣のみことっちが、小さな声を上げる。
チラッとさりげなく小さな頭を見下ろしてみた。
「涼太くんっ、やっぱり大会の会場って、広いんだねっ!!」
この可愛い生き物をど う し ろ と
いつもよりテンションがかなり高い彼女を抱きしめようと、腕を伸ばした時だった。
「集合だ!!!」
ゴスッッ
「いってええ……」
「涼太くん!?…あ、キャプテン、おはようございますっ…」
ペコッとキャプテンに頭を下げて挨拶するみことっち。
俺もつられて挨拶する。
「黄瀬、初めてみことちゃんに他校との試合見せるからってはしゃぐなよ」
笠松先輩の横でにやつく森山先輩。
そう!今日は初めて、みことっちが俺らの勇士を見る日なんス!
(※みことちゃんは誠凛と海常の試合を見ていません)
森山先輩のその言葉を聞いて、一瞬みことっちの体が固まった。
「や、やっぱり、緊張します…、あの、試合中って基本マネージャーは何をすれば…」
気のせいか、体が少し震えているように見える。
すぐに気負っちゃうの、みことっちの悪い癖ッスね。
「ベンチに座って、監督のサポートをするのが基本か。あと、試合の様子をメモして……」
「そうだな。それ以外はタオルの用意とかドリンクの用意とか、いつもの業務だよ」
「は、はいっ」
そう意気込んで、自身のカバンの紐をぎゅっと握り締める。
無理しなきゃいいんスけど……
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